「東海国立大学機構メイク・ニュー・スタンダード次世代研究事業」(以下、「本事業」という)では、知識基盤社会を先導していく、あるいは世界・日本が直面する課題を解決するといった、さまざまな形態で将来の社会に貢献する博士人材の育成を目的としています。博士後期課程学生(博士課程学生)は、すでに研究の最前線に立ち、大学の研究を根底から支えています。本事業では、優秀な学生に経済的支援を行うことで、研究に専念できる環境を用意します。また企業等で求められるスキルを身につけるコースを用意すること、ロールモデルとなるリーディング大学院や卓越大学院の修了生などとの交流の機会を設けることで、就職等への不安を払拭するとともに、自身のキャリアデザインを通した社会への貢献の具体化を促します。
加えて、専門の異なる博士課程学生や海外研究者、価値観の異なるメンター等との交流によって、複眼的視野の獲得とともに、人的ネットワークを拡大し、自身の発想に基づく新たな研究展開や融合研究の創出・進展を促します。
本事業で採択する学生は、学生であると同時に研究者でもあることからRESEARDENT(RESEARcher + stuDENT)と呼びます。学生として謙虚に学ぶ姿勢を持つと同時にプロの研究者としての自覚と誇りを持ちながら自己研鑽することを期待します。
なお、卓越大学院など上記趣旨に沿う博士課程プログラム(原則として博士前期課程後期課程を一体化した5年一貫プログラム)が存在します。このようなプログラムでの履修経験を、本事業では評価軸の1つとして設定し、選考を実施します。
本事業では、下記の7つの分野を設定し博士人材の育成を強化します。
各分野の目的・育成する研究者像については以下をご覧下さい。
地球温暖化などの気候変動、さらに廃棄物処理などに対応する資源循環、自然共生を前提とした都市再生、社会的不平等の解消や価値観の対立の調整を通じた平和構築などの地球規模課題解決に向けて、あらゆる基礎研究から、応用、社会実装までの幅広い研究階層に対し、階層間を融合した学術研究を切り拓き、課題解決への貢献を通じて未来社会の革新をグローバルな視野を持って加速する博士人材の育成を目指す。
数学・物理学・化学・生物学・地球惑星科学などの基礎科学から、プロトタイプ・デバイス等の情報学・工学的応用研究、経済的側面と倫理・法律、民俗学や言語・心理学を含む社会実装に必要となる、あらゆる研究分野を対象とする。
環境問題や脱炭素、少子高齢化などの人類共通の課題に対し、物質・生命分野の融合領域を開拓し、自身のキャリアを切り拓ける博士人材育成を目指す。
特に異分野が理解できるスペシャリスト、または専門性を持ったジェネラリストのいずれかの人材として、国内の大学や研究機関、国、自治体、企業と積極的に関与し、人類共通課題の解決に向けて貢献する意志と行動力を身につける。
電気電子・機械・情報・エネルギー・生物・医療・農業などの多分野と物質科学・生命科学を中心として、基礎学理から応用に至る上流から下流までを俯瞰的に捉えて革新的プロダクトを生み出すことで課題解決の実現を目指す。
生命科学・医科学研究は人類に様々な恩恵を与えてきたが、今後より複雑化する課題を解決するためには、さらに広い視野に立った発想力と実行力を備えた博士人材が必要である。特に遺伝子解析や医療データの解釈、デジタル化された医療情報管理など、情報学の知識が今後ますます必要とされる。このため挑戦的・国際的な研究を通じ、世界が直面するさまざまな課題の解決の最前線に立つ博士人材育成を目指す。
情報学および生命科学・医学等、バイオ分野に関わる全ての研究分野を対象とする。
ITやAI技術の発展を踏まえ、モビリティ、通信、エネルギー・資源、創薬・医療・保健、食糧、教育、経済、政策・政治など、人類の”ライフスタイルをアップデートする”ことを目指して、未来の知の継続的創出や社会実装を担いグローバルに活躍する博士人材を育成する。
情報学・工学はもちろん、医療系、環境系、人文社会系、農学系に加え理学、数理科学など広い分野を牽引し、発展させる博士人材を育てることを目指す。
アジア・環太平洋諸国との共生と発展を志向し、SDGsへの貢献と豊かで活力ある社会の構築を目指して、未来の知の継続的創出や社会実装を担うグローバル博士人材を育成する。
アジア・環太平洋諸国における気候変動や食料安全保障などの地球規模課題、人口増加、経済発展、社会変動に伴う諸問題、社会基盤整備、健康・福祉や平和構築等に寄与する学問領域、すなわち人文、社会、教育、経済、法制度、理、農、工、環境、情報、医、地域開発、国際開発等を包含し、実践的な課題解決を希求する博士人材の育成を目指す。
アジア・環太平洋未来創造分野
SDGsを念頭に、国際的な視点から持続可能な地域社会の開発を推進することのできるグローカルリーダー育成を目指す。
地域貢献への経済的・政策的枠組みを意識した経済・法律等の文系分野、地域の人材を育成するための教育分野、理系分野の応用研究を通じて地域社会の発展に貢献する農学、工学、情報学、環境学、医学等が該当する。ただし日本国内に限定される貢献ではなく、国際的な汎用性をもつ貢献を志向する博士人材を育成する。
根本原理に立ち戻って自然と人間、社会の本質を捉え、現状の課題を解答可能な問題に設定し直し、斬新な発想と論理的な思考によって解決法を探ることができる博士人材の育成を目指す。真のイノベーションは、このような根本原理に立ち戻ることから始まると考える。
数物系科学および言語学、史学・文化人類学を中心とする基礎科学であり、数理、宇宙、人類、文明、社会、生命、物質、素粒子に関する研究間の共鳴や融合を目指す。