東海国立大学機構
融合フロンティア次世代研究事業

THERS Interdisciplinary Frontier Next Generation Researcher

「東海国立大学機構融合フロンティア次世代研究事業」では、東海国立大学機構(以下「機構」)を構成する岐阜大学と名古屋大学が連携して実施する事業で、世界・日本が直面する様々な課題を解決するとともに、将来の知識基盤社会を先導する博士人材育成を目的としています。
優秀な博士課程学生は、すでに研究の最前線に立ち、大学の研究を根底から支えています。本事業では、そのような優秀な学生に経済的支援を行うこと、また企業等で求められるスキルを身につけるプログラムを用意することで、就職等への不安を払拭し、研究に専念できる環境を用意します。
加えて、専門の異なる博士課程学生や価値観の異なるメンター、さらにはロールモデルとなる社会で活躍する博士人材などとの交流の機会を設けることで、自身の発想に基づく新たな研究展開や融合研究の創出を促します。

本事業は、国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)「次世代研究者挑戦的研究プログラム」と東海国立大学機構により実施されるものです。 岐阜大学における事業概要はこちらを参照してください。

分 野

現代の社会課題や機構の強みを踏まえ、以下の4つの分野を設定し、博士人材の育成を強化します。

バイオサイエンス分野

副分科会長

分野の目的・育成する研究者像

生命科学・医科学に関わる全ての研究分野を対象とする。
これまで、生命科学・医科学研究は人類に様々な恩恵を与えてきたが、今後より複雑化する課題を解決するためには、さらに広い視野に立った発想力と実行力を備えた博士人材が必要である。
本プログラムでは、この分野で高い研究力を持つ東海国立大学機構の強みを活かし、挑戦的、国際的な研究を通じて、世界が直面するさまざまな課題の解決の最前線に立つ博士人材育成を目指す。

革新的学際分野

副分科会長

分野の目的・育成する研究者像

根本原理に立ち戻って自然と社会の本質を捉え、現状の課題を解答可能な問題に設定し直し、斬新な発想と論理的な思考によって解決法を探ることができる博士人材の育成を目指し設定した。真のイノベーションは、このような根本原理に立ち戻ることから始まると考える。
主な対象分野は数物系科学および言語学、史学・文化人類学を中心とする基礎科学であり、数理、宇宙、人類、文明、社会、生命、物質、素粒子に関する研究間の共鳴や融合を目指す。

脱炭素・環境分野

副分科会長
  • 小林 信介(岐阜大学工学部・教授)

分野の目的・育成する研究者像

政府目標「2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする」ことを踏まえ、地球温暖化などの気候変動、さらに廃棄物処理などに対応する資源循環、自然共生を前提とした都市再生などの地球規模課題に対し、名古屋大学では環境学研究科やフューチャー・アース研究センター、未来社会創造機構脱炭素社会創造センターなど、岐阜大学では地域環境変動適応研究センターや流域圏科学研究センターなどの強みを生かし、脱炭素社会の実現を含めた地球規模課題の解決に向けて貢献する博士人材の育成を目指すものである。
特に異分野が理解できるスペシャリスト、または、専門性を持ったジェネラリストのいずれかの人材なることを期待している。
なお、両大学は、2021年7月29日に設立された「カーボンニュートラル達成に貢献する大学等コアリション」に参加しており、また、2021年11月1日は東海国立大学機構にカーボンニュートラル推進室が設けられ、今後、国内の大学や研究機関、国、自治体、企業との連携を強めていくため、本分野の参加者にはそれらに積極的な関与をしながら、研究に携わることを期待する。

グローカル推進分野

分科会長
  • 小山 博之(岐阜大学応用生物科学部・教授)

分野の目的・育成する研究者像

国際連合の「持続可能な開発目標(SDGs)」を念頭において、国際的な視点から持続可能な地域社会の開発を推進することのできるグローカルリーダー育成を目指す。
主な対象は、地域貢献への政策的枠組みを意識した文系分野の研究をしている者および理系分野の応用研究を通じて地域社会の発展に貢献できる者とする。ただし、国内に限定される貢献ではなく、国際的な汎用性をもつ貢献を期待する。

カリキュラム

次世代リサーチャーは、プログラムをとおして、以下の項目を強化していきます。

  1. 新たな学術・研究領域を切り拓く「新たな課題に挑戦する研究力」
  2. 英語(留学生は日本語)によるコミュニケーション力を含む「高い国際発信力」
  3. 学術研究の意義と価値を理解し産業界含む社会の中で生かす「社会や産業とつながる力」
  4. 人的ネットワークの形成とチーム構築も含む「リーダーシップマインド」

卓越大学院プログラムやTongaliなど、名古屋大学の他の事業と連携したプログラム、共同実施する岐阜大学のプログラムやトランスファラブルスキルを強化するプログラムなど様々なプログラムを受講する機会が提供されます。各プログラムはポイント化されており、学生は提供されるプログラムに加え、学生が独自に行うインターンシップ、学会発表、論文発表等を組合わせて3年間で20RP(リサーチャーポイント)以上の取得を行います。

また、支援期間中にQE1,QE2により標準修業年限内の学位取得、融合研究・国際共同研究、語学能力などの確認を行います。

【提供プログラム例】

基礎的語学能力強化(英語/日本語)※日本語は留学生対象/アカデミック・ライティングの強化/アカデミアに進むためのスキルアップコンテンツ/情報発信スキル強化(研究発信、PR動画作成等の各種セミナー等)/ITスキル強化プログラム(プログラミング講座等)/Tongali(名古屋大・岐阜大の起業家育成プログラム)との連携による起業家育成プログラム/100人論文やポスター交流会による融合研究促進

提供プログラム

【その他必須プログラム】
語学研修/研究等PR動画の作成/博士人材交流会への参加/メンターとの交流/日本学術振興会特別研究員への申請 など

運営体制